ホーム> 経営のヒント> 唯我独尊hiromichiが行く> Hiromichi Chronicles> 背表紙症候群
その会社に社長室があった場合、そこへ通された私は
社長が現れるまでの間に必ず黙って本棚の数冊を盗み見ます。
右手でページをパラパラめくると裏表紙のその裏まで確認し、
鉛筆線の1本も引いていないのはまったく読んでいない証拠だと呆れます。
また、読了日の記載がない本も物理的によく燃えるゴミと同じです。
以前にもお話したことのある"背表紙症候群"ですね。
ドラッカーと松下幸之助とカーネギーと稲盛さんの分厚いそれが
何の脈絡も無く整然と並ぶ社長の本棚。
それは、キリスト教と仏教とヒンズー教とまでは言わないにしても、
浄土真宗と真言宗と曹洞宗が横一線に並んでいるのとまったく同じ。
読んだ気になっているだけってやつです。
だから、内容云々はどうでもよくて、それが分厚ければ分厚いほど
価値があるものだと勝手に思い込んでいます。
こーいう会社の社長は何をやっても効率が悪く、
績も芳しくありません。
中学時代、高校時代の教科書には、
真っ赤になるほど線を引いたじゃないですか。
あまりに真っ赤になり過ぎてどれが重要ポイントなのか分からなくなった…、
そんな経験をお持ちなのでは。
会社の業績を上げるため、自分の人生哲学を確認するために本を読むならば、
折り目がつかないようにと60度の角度で後生大事に読むこともなかろうに。
気に入ったページを破って手帳に挟んでおくくらいでちょうどいいはずです。
社長の本棚。そこを30分も眺めれば、
その器と生い立ちと学生時代の偏差値が手に取るように分かります。
試験に強い奴は、教科書とか参考書がグチャグチャです。
一方の試験に弱い奴の教科書は、ヤフオクに出品できるほど新品同様。
また、サブノートを見れば分かりますが、まぁキレイだこと。目的が
「試験に合格する」から「キレイなノートを作る」に進化しています。
だから、社長の本棚もそれとまったく同じことです。
折り目のないドラッカー、線の引いてない松下幸之助、
読了日の記載がないカーネギー、○or×の評価が書いてない稲盛さん。
まったく意味のない"背表紙症候群"ですね。
だったら私の本棚の本といえば、西陽が当たらないように
キルティング生地を被せてあります。
なので、学生時代に私が作ったサブノートは、
美しい楷書体でそっくりそのまま教科書を写したものでした。
Written by Hiromichi
はまぞう(原ブログサイト)
Hiromichi唯我独尊
監修:浜松の税理士太田彰
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