浜松市は7月1日、市制施行100周年を迎える。
スズキやヤマハといった世界的な企業を育み、
高度経済成長期の豊かさを享受してきたが、
日本経済の「失われた20年」で一気に活力を失った。
新産業の創出も進まず、閉塞感が漂う。
いかに「進取の精神」に富んだ産業の町、浜松を再生するのか。
産業の現状
浜松市の製造品産出額は2兆円強と、政令指定都市中8位。
スズキやヤマハの知名度の高さもあって、
「企業城下町」のイメージが強い。
以外に大きいのは農業産出額。(【図2】参照)
06年度実績は504億円で、全国の市町の中で4位。
日照時間が長く、ミカン(全国シェア9%)やセロリ(14%)、
チンゲンサイ(13%)などの産出額は国内屈指だ。
新規上場7年間ゼロ
豊かさのツケは新産業の育成にも影を落とす。
浜松市内に本社を置く企業の新規上場はこの7年間ゼロ。
リーマン・ショック以降、自動車や二輪車などの
輸送用機器産業への依存度が逆に高まった。
製造品出荷額に占める輸送用機器の割合は
08年の41%から09年に46%に上昇している。(【図1】参照)
中心市街地の空洞化が進む
ハングリー精神の欠如を指摘する声も多い。
中心市街地には空き店舗が目立つ。
家主の多くは郊外に住み、寂れた街中の状況は他人事だ。
街づくりに汗をかこうとしないから、
賃料を下げようという意識が働かず、
空洞化が進む一方だ。(【図3】参照)
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