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切放し低価法の廃止

平成20年4月1日以後開始事業年度から,

棚卸資産の評価基準についてはいわゆる

低価法に一本化された「棚卸資産会計基準」が強制適用されている。

それに合わせて税務上でも棚卸資産の評価方法として

低価法を適用している会社もあるようだが,

23年度税制改正により,切放し低価法の廃止が予定されている。

そもそも,棚卸資産の評価方法には,

大きく分けて原価法と低価法がある。

原価法とは,個別法や,先入先出法などの

6つの方法からいずれかの方法により算出した額を

期末棚卸資産の評価額とする方法( 法令28 @一)。

低価法とは,原価法による評価額と

事業年度終了時における棚卸資産の時価の

いずれか低い方を評価額とする方法のこと( 法令28 @二)。

低価法を採用した際の翌期首の処理方法としては,

切放し法と洗替え法の2種類がある。

洗替え法とは,棚卸資産の期末評価額が

帳簿価額を下回ったことにより,

その切下げ分を当期費用として計上した場合,

翌期首にその切り下げ分を戻し入れる(収益計上)方法。

一方,切放し法とは,翌期首に切下げ分を戻入れず,

前期末の評価額を翌期首の帳簿価額とする方法で,

棚卸資産の受払簿に期末評価額を

記載していることなどを条件に認められている( 法令28 A)。

切放し低価法による場合は,かりに時価が回復したとしても,

戻入れ益は計上せず,時価の下落による評価損だけを

計上できることとなるため,

以前から制度を問題視する声もあったが,

法人課税の適正化という観点から

本改正で廃止されることとなった。

したがって,今後は,低価法を適用する際には

洗替え法によることとなるが,

"平成23年4月1日以後に開始する各事業年度においては,

同日以後最初に開始する事業年度の前事業年度末の

評価額をもって取得価額とする"経過措置が手当てされている。

例えば,取得価額が30万円の棚卸資産を

切放し低価法により評価していたものとする。

22事業年度末の評価額が28万円に下落した場合,

改正後の23事業年度期首については,

取得価額30万円に洗替えるのではなく,

22事業年度末の評価額28万円に洗替えることとなる。

以後,各事業年度についても,

22事業年度末の28万円を取得価額とみなすため,

毎期首の帳簿価額は28万円に洗替えていくこととなる。



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