ホームmag2> mag2バックナンバー> 201104- > 適格現物分配と残余財産の分配
【mag2未発表緊急掲載】
平成22年度税制改正では,100%グループ内の法人間で現物分配を行った場合に
資産の譲渡損益を繰延べるとした「適格現物分配」制度が創設されたが,
この範囲には,100%子会社から「残余財産の分配」を受ける場合も含まれる。
これは,適格現物分配(法法2十二の十五)を包含する
「現物分配」(法法2十二の六)の範囲に,「解散による残余財産の分配」も含む
とされているからだ(法法2十二の六ロ,法法24(1)三)。
このため,例えば100%清算子会社から親会社へ"含み益"のある土地を
「残余財産の分配」により移転する場合は,
簿価譲渡となるため,親会社側では簿価で取得したこととなり(法法62の5(6),
法令123の6(1)),みなし配当が生じても,
その分は益金不算入となる(法法62の5(4))。
子会社側においても,簿価譲渡となるため売却益は生じず(法法62の5(3)),
みなし配当に係る源泉徴収義務も生じない(所法24(1)カッコ書き)。
「残余財産の分配」をした段階では,法人税の面で,
親子会社ともに,税負担は生じないわけだ。
ちなみに,消費税の面でも税負担は生じない。
残余財産の分配は,現物分配と同様に対価性のある取引とは言えず,
消費税の課税対象にならないからだ。
なお,会社法上,「現物配当」(=剰余金の配当)と「残余財産の分配」は
別々のものと区分されているにも関わらず(会社法509 (1)二,454(4)),
法人税法上は「現物分配=残余財産の分配」とされているが,
これは会社法上の「現物配当」よりも,
法人税法上の「現物分配」の方が幅広いからだと考えられているようだ。
また,会社法上,株式会社の純資産額が300万円を
下回ってしまう「剰余金の配当」を禁止しているが(会社法458),
「残余財産の分配」を行う場合には,この300万円基準は適用されない。
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