ホームmag2> mag2バックナンバー> 201304- > 「日本初の所得税」申告額第1位は?
我が国に所得税が導入されたのは明治20年で、
課税対象は個人所得だけでした。
書籍『日本財政論』によると、高額納税者の多くは
旧大名や公家などの華族で、上位には旧山口藩主の毛利元徳や
旧金沢藩主の前田利嗣、旧熊本藩主の細川護久などの名前がみられます。
そのような中、 申告額で第1位となったのは、
三菱財閥の 基礎を築いた岩崎弥太郎の長男、
岩崎久弥 で申告額は約70万円でした。
第2位は岩 崎弥之助(岩崎弥太郎の弟)で約25万円、
第3位が毛利元徳の17万円台。
日本資本主義の父といわれた渋沢栄一が10万円弱の申告額ですから、
第1位の申告額がいかに多いかが分かります。
そうなると当時の70万円がどれくらい価値があったのかを知りたいところですが、
世の中の仕組みや人々の暮らしが異なるため
正確に換算することはなかなか難しいものがあります。
また、物価や賃金水準も年々変化しているので
同じ明治時代でも前半と後半では違いがあります。
そのためあくまでも参考としてのお話です。
明治30年頃の小学校の教員や警察官の初任給は月8〜9円くらい、
一人前の大工などベテラン技術者で月20円くらいだったようです。
このようなことから考えると当時の庶民にとっての1円は、
現在の2万円くらいの重みがあったのかもしれません。
仮にこれで計算すると当時の70万円は現在の140億円になります。
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